2024年6月13日
ナメクジ対策の殺虫剤入りのビールトラップを裏庭にしかけてから、五日くらいが経ってしまった。いつもなら翌日朝にはナメクジがしっかり入っているのですぐに捨てるのだが、その日は庭全体に害虫駆除の薬剤をばら撒いた数日後だったせいか一匹も罠にかかっていなかった。ビールだって安くないので、もうしばらく置いておこうと思った。
それから数日後のいま、数匹のナメクジと腹の太い蚊のような虫のとろけたような死骸、ぶよぶよした寒天みたいなものが浮かぶ地獄のような水面を眺めている。こうなりつつあることは、わかっていたのだった。放置した自分の業をつくづく悔やむ。ビニール手袋をして、人の通らない隙を狙い、家の前の側溝の網部分にざっと流した。網部分にナメクジがひっかかってヒヤヒヤする。まるでコソ泥だ。
そういえば小学校のころ友だちと教室で飼い始めたサナギがいつの間にか腐ってしまい、怖くて触れずかなり経った後に先生に叱られ友だちと半泣きで処理したことがあった。サナギは黒くガビガビになっていて、石で必死にこそぎ落とした。その時と同じ気分だった。
数年前のわたしだったら、罪深い気持ちに心へし折れ人間活動そのものへの憎悪を抱え込み頭が痛くなって園芸それ自体を断念していたのだろうけど、いつの間にかそうでもなくなっていた。人間そんなものであろうと。いいとか悪いとかでくくれる世界に生きていないんだもんなあ。虫とのたたかいは続く。
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